sweet×sweetな恋モヨウ
「……ねぇ、アヤ?」
「何?」
返事はしてくれたものの、顔を上げようとはしない。
……まだ怒ってるのか。
そんな予感はしてたから、今日はちゃんと“外で”帰りを待ってたし、アヤが開けてくれるまで部屋には入らなかったのに……
さっきから、俺に背中を向けて机に向かったまま。
完全に“ほったらかし”だ。
……うーん。
そのへんにあったマンガをめくりつつ、出方を考える。
今日は珍しく、俺じゃなくてアヤが勉強中。
予備校が休みだから。
明日は土曜日。
“学校が休み”の俺が、わざわざ勉強なんてするわけがなく……
かと言って、アヤに会わずにいられるわけもなく、いつものようにここにいる。
……あ、もしかして邪魔してるのか?
なんだ。だから機嫌が悪いのかぁ。
そっかぁ。
じゃあ、さっさと要件だけすませて帰るか。
名残惜しいけど、仕方ないよね。
マンガを閉じて、俺は立ち上がった。
「ねぇ、アヤさぁ、日曜日空いてる?」