sweet×sweetな恋モヨウ
「アヤ、知らないの?」
アヤの学校ではまだ知られてないのかな?
もしかして、うちの高校だけ?
……いやいや。
この前、雑誌で取り上げられてたって言ってたよね?
ま、いっか。
「ここは、今“超”話題の“デートスポット”なんだよ?」
「そうなの?」
訝しげに俺を見るアヤ。信じてないな。
そりゃ、確かにカップルの姿は見当たらないけど…って言うか、行き交う人すらまばらだけど。
「とにかく行こう?」
入らないことには始まらない。
立ち尽くすアヤに俺は左手を差し出した。
「……何?」
「え?だから、行こう?」
「いや、行くのはわかるけど、コレは何?」
俺の掌を指差すアヤ。
「“何”って、手。……つながないの?」
「なんで?」
「だって“デート”だよ?“恋人同士”だよ?“ラブラブ”の“熱々”だよ?」
普通…だよね?
ここまでの道中、つながなかったのが不思議なくらいだ。
「ほら。早くっ」