sweet×sweetな恋モヨウ
「なっ……!」
俺の言葉に、アヤは勢いよく振り返った。
小さく呟いたつもりだったのに、ちゃんと聞こえていたらしい。
別にいいけどさ。
「本当なら、順番的にこっちが先でしょ?あんなキスができるんだから、手をつなぐくらいどうってことな……んーっ」
言いかけた俺の口を慌てて押さえにかかるアヤ。
なんて素早い動きだ。
「なんでっ、アンタはそういうことを恥ずかしげもなく平気で…」
周囲を気にしながらも、顔を真っ赤にして俺を睨んでいる。
でも、身長的に“見上げる”格好になってるから、全然怖くない。
むしろ、すごーく可愛い。
今すぐキスしちゃいたいくらいだ。
そんな衝動をなんとか押さえて……
俺の口を押さえている手をどけて、ぎゅっと握れば、ますます赤くなるアヤの顔。
うわぁ。なんか、ちょっとだけいじめたくなってきた。
「“恥ずかしそうに”言えばいいの?キスはするけど、手は……」
「わーっ、違うっ。そうじゃなくて…」
慌てまくりのアヤ。
そんなに照れなくたって、誰も聞いてないってば。