sweet×sweetな恋モヨウ
「“縁結び”?」
やっぱりアヤは知らなかったみたいだ。
「そう。もちろん、1人で“両想い祈願”に来る人もいるけど、“2人の未来”を願いに来るカップルも多いんだって」
しかも、かなりの確率でそれが叶うらしい。
あくまで“噂”だし、いわゆる“神頼み”的な話だけど……
信じることが大事だよね。うん。
まあ、俺とアヤの未来はもう決まってるわけだから、今さらお祈りするほどじゃないんだけどさ。
でも、やっぱり“流行り”は押さえておきたいし、頼れるものは何でも頼っておきたいじゃん?
一緒にお参りして、絵馬を書いて、お守りも買えばバッチリだよねっ。
1人張り切る俺とは対照的に……
「……私は、どっちかって言うと“縁結びの神様”よりも“学業の神様”に会いたい。」
アヤはやっぱり冷めていた。
「まずは“受験”だし」
まったく……
女の子なんだから、もっと“ロマン”を持とうよ。
そこがアヤらしいって言えばそれまでなんだけど。