sweet×sweetな恋モヨウ
「……ハジメ?」
お参りも済んで、嫌がるアヤを説得してラブラブな感じの絵馬も書いて……
お守りはどれにしようかな、なんて迷っているとき。
突然声をかけられて、振り返ってみると……
「よっ。なに?お前、本当に来たんだ?」
そこにいたのは見知った顔。
「ユキちゃん!」
「……その呼び方は、いい加減やめてくれ。」
「えーっ?なんで?“幸人”だから“ユキちゃん”でしょ?あ、“ユッキー”のほうがいい?」
「できれば、普通に呼んでほしいんだけど…」
苦笑いをしつつも、ユキちゃんはこっちに歩み寄ってきた。
「今日は、あの格好じゃないんだ?」
「あれは、正月とか……行事があるときしか着ないってば。」
「ふぅん。そうなんだ?」
“ユキちゃん”は、高校の友達。
1年からずっと同じクラスで、たぶん1番仲がいい。
しっかり者で賢くて、面倒見がよくて“大人”でイケメンなユキちゃんは……
「未来の“神主さん”も大変だね。」
この神社の息子、だ。