sweet×sweetな恋モヨウ



「……え?」


急に声を張り上げたアヤ。

びっくりしたのはそれだけじゃなくて……


「なんで……?」


見れば、アヤの瞳にはじわっと涙が浮かんでいる。

確かに、アヤの笑顔はレア物だけど、それ以上に涙なんて見たことがない…と思う。

子供のときだって、泣き虫だったのは俺のほうで、アヤはいつも慰める役目だったし。

ドラマや映画でも、ギリギリまで我慢してトイレでこっそり泣くタイプなのに……

そんなアヤが……


「……どうしたらいいのか、わからないんだもん。」

「……え?」

「いきなり変えることなんてできないよ。」

「アヤ?」


涙をこらえながら、必死で声を絞り出している様子。

えっと…俺はどうしたらいいいんだろう?

おろおろすることしかできない。


「今までずっと“幼なじみ”だったのに。“弟”とか“息子”くらいの感覚で接してたのに…」


……ん?なんか、聞き捨てならなくない?


「今まで“普通”だったことが、全然別の意味を持つようになって…ずっと同じでなんていられないよ。」


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