sweet×sweetな恋モヨウ
「はぁっ?」
俺の言葉を聞くなり、アヤはものすごい勢いで顔を上げた。
抱きしめられたままの格好なわけだから、至近距離でバッチリ目が合う。
俺的には、これはこれでいい体勢なんだけど……
やっぱり“アヤから”伝えてもらわないとね。
「よし、さっそく今日からやってみよっか?慣れてくればきっと、自然と“恋人同士”な感じになるから。気持ちと行動が追いついてくれば、恥ずかしさなんてなくなるって。
「そうと決まれば…」
抱きしめていた腕をパッとほどいて、代わりにアヤの手をぎゅっと握りしめて。
「早く帰ろう?」
そのまま、俺は家に向かって歩き出した。
いつでもどこでも平気な俺と違って、アヤはまだ、ここじゃできないもんね?
まずは、2人っきりのときだけで許してあげよう。
「ちょっ…」
まだまだ先は長いから。
ゆっくり進んで行くことにしよう?
甘い甘い恋は、
まだ始まったばかり――。
―――「俺としては、“それ以上”のことをして“好き”を表現してくれてもいいんだけどね?」
*End*