花ときみ
たった1文字

煌星

2人が出逢ったのは、1通の間違いメールだった。

俺は高校生になって、少しだけ自由になれた。
俺が中学生の時では、両親は1人息子の俺を危険からさけるために、門限が7時までだった。
俺の生まれ育った町は、田舎で、周りは田んぼが多くて、農家をしている近所も多かった。都会と違って、緑が多い。近所に同い年もいなく、ほぼ俺より年下の子たちだった。
遊ぶにしても、自転車で40分かけて最寄駅まで行き、1時間に2本しか通らない電車で、隣町まで行かなきゃならない。
街灯りも少ない田舎だから、両親は心配していた。

朝、俺は目覚まし時計代わりに、携帯のアラーム音で起きる。
丁度良く、1階のリビングに居る母さんが呼んでいる。
「郁弥、ごはん出来てるよー?」
まだすっきりとしない頭をポリポリかきながら、
「わかってる。」
と返事をする。俺は隣町の藤河高校(ふじかわこうこう)に通う、
高2の知花 郁弥(ちばな いくや)。
頭は全く、理数系で黒毛の髪をワックスで整えて、友達とギャーギャー騒ぐ方じゃないが、ごく普通の男子高校生だ。

朝早く起き、シャワーを浴びてさっぱりとし、髪を乾かすとワックスで整えて、制服に着替える。そして、前日の晩に今日の持ち物を揃えた鞄を持って下へ降りる。
リビングでご飯を食べ、急いで、歯磨きをし、鞄を持つ。
「行ってきまーす。」
元気よく、リビングで料理を片している母さんに聞こえる様に言う。
「行ってらっしゃーい。」

自転車の鍵を外して、通学する最寄りの駅まで走らせる。

毎朝、こんな感じで家を出る。
友達と遊んだり、泊まる時は、必ず一言母さんに言ってから家を出る。
中学生の時に体験できなかった、友達と夜9時まで遊んだり、泊まりでは相手に迷惑をかけないと約束で今では自由になった。
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