花ときみ
俺は、蔵重に話しかける事は出来なかった。
本当はたくさん聞きたい事があるのに…。
あれだけ、勉強を教えてあげていたのに…
逢おうと約束をしたのに…
一切メールも電話もしてくれなかったに…
転入するって…。
何一つ、俺に言ってくれなかったじゃねえか…。
あれから、俺は蔵重を想うのはやめて
受験勉強に没頭していた。
なんで、こんなタイミングで初めて会うことになるんだ。
LHRで決めた、副学級委員長の大槻 洋寧(おおつき ひろな)と話すようになった。
因みに、引き続いて学級院長は俺だ。クラスメートからの推薦だ。
大槻は生まれつきらしく、髪が茶髪で、ボブで、運動神経抜群の女子だ。
蔵重とは正反対の性格。
休み時間になると、大槻は蔵重に学校案内をしてあげたり、昼休みもほかの女子たちとグループになって昼食を食べている。
さほど心配はいらなさそうだ。
昼休みに、俺は稜人に呼び出されて屋上へ行った。
「なあ、郁弥。お前、俺に何か隠してねえ?」
…え?
「お前、転入生のこと知ってんだろ。」
「な、何、急にそんなこと…。」
「俺、お前と何年間友達やって来てんだと思ってんの。お前が何か隠してるのは、すぐにわかってた。けど…お前のことだから、何一つ俺に言わねえし…。
なぁ?…話せよ。」
稜人…。
俺は、手すりによりかがるなり稜人とは目を合わせずつぶやいた。
「あぁ…。知ってる。蔵重とは、去年から知ってる。」
「去年ね…。で、向こうは東京から来たって言ってるけど、どうやって知り合ったわけ。」
俺は全てを話した。
稜人は何一つ顔色も変えず、反論もせずに真剣に聞いてくれた。
「そっか。転入生は、お前にとって、初恋の相手か。」
「あぁ。けど、いざとなると話しかけづらい。」
せっかく、隣の席になったけど、どこから話していいのかわからなかった。
「俺は、頭は駄目でも、少しは頼ってくれよ。お前の初恋、応援してやりてえ。」
「悪ぃ…。もう、忘れたいんだよ…。俺、先に教室戻る。」
「おい!!郁弥ッ!!」
本当はたくさん聞きたい事があるのに…。
あれだけ、勉強を教えてあげていたのに…
逢おうと約束をしたのに…
一切メールも電話もしてくれなかったに…
転入するって…。
何一つ、俺に言ってくれなかったじゃねえか…。
あれから、俺は蔵重を想うのはやめて
受験勉強に没頭していた。
なんで、こんなタイミングで初めて会うことになるんだ。
LHRで決めた、副学級委員長の大槻 洋寧(おおつき ひろな)と話すようになった。
因みに、引き続いて学級院長は俺だ。クラスメートからの推薦だ。
大槻は生まれつきらしく、髪が茶髪で、ボブで、運動神経抜群の女子だ。
蔵重とは正反対の性格。
休み時間になると、大槻は蔵重に学校案内をしてあげたり、昼休みもほかの女子たちとグループになって昼食を食べている。
さほど心配はいらなさそうだ。
昼休みに、俺は稜人に呼び出されて屋上へ行った。
「なあ、郁弥。お前、俺に何か隠してねえ?」
…え?
「お前、転入生のこと知ってんだろ。」
「な、何、急にそんなこと…。」
「俺、お前と何年間友達やって来てんだと思ってんの。お前が何か隠してるのは、すぐにわかってた。けど…お前のことだから、何一つ俺に言わねえし…。
なぁ?…話せよ。」
稜人…。
俺は、手すりによりかがるなり稜人とは目を合わせずつぶやいた。
「あぁ…。知ってる。蔵重とは、去年から知ってる。」
「去年ね…。で、向こうは東京から来たって言ってるけど、どうやって知り合ったわけ。」
俺は全てを話した。
稜人は何一つ顔色も変えず、反論もせずに真剣に聞いてくれた。
「そっか。転入生は、お前にとって、初恋の相手か。」
「あぁ。けど、いざとなると話しかけづらい。」
せっかく、隣の席になったけど、どこから話していいのかわからなかった。
「俺は、頭は駄目でも、少しは頼ってくれよ。お前の初恋、応援してやりてえ。」
「悪ぃ…。もう、忘れたいんだよ…。俺、先に教室戻る。」
「おい!!郁弥ッ!!」