花ときみ

電車に乗ると、同じクラスで、友達の野崎 稜人(のざき りょうと)がいる。
彼は俺の身長(178㎝)より、低い(170㎝)が、顔立ちが良く、茶髪だ。
性格はとにかく明るくて、クラスのムードメーカー的存在。たまに、調子よすぎるのが玉に瑕だが、一応彼女持ち。
「おう!郁弥、おはよ。」
「はよ。」
電車で高校の最寄駅まで15分くらいかかる。
「あのさ、郁弥。悪い!また、古典のノート貸してくんね?今度、テスト近いし、板書してなくて、ヤベえんだよ。」
ったく。こいつは、授業中に友達と話してるか、寝てるしかない。
その度に、先生に怒られ、テストは一夜漬けで赤点ギリギリ。
俺は理数系の頭だけど、板書は必ず欠かさず書くし、日頃から復習もしてるから、文系の教科も困ってない。
「あ?いい加減にしろよな?今日の授業、終わったら貸してやるよ。」
「まじで?サンキュ。」


俺らは、最寄駅に着くと、定期カードでホームを出る。


駅を出ると、徒歩15分で学校に着く。
藤河高校は共立で、桜の木が美しく、多い事からも有名で、進学率も高いので偏差値は結構高めの学校だ。

俺は部活も入ってない、いわゆる帰宅部ってやつだ。
入学当初や高1までは、運動神経も良かったから様々な部活からの勧誘があったが、特にこれといった入りたい部活も無かったから入らなかった。けど、のほほんと何もやらずにいるのは両親も心配で、結局クラスで学級委員長をやることにした。自分でまとめるのは嫌いじゃないし、声あげるのも嫌じゃないし、むしろ頼られるのが好きで、自分から立候補した。
まあ、学級委員長もやってたおかげで内申点は上がるし、クラスも他クラスも担任や学年主任からも好評化を戴いてる。で、その好評化で引き続き、2年でも学級委員長を務めている。これまた嬉しい事に、学校も楽しく感じているので両親も安心している。
学級委員長の仕事は、授業の号令かけたり、教科の先生が来なかったら呼びに行く、LHR(ロングホームルーム=学活)では司会をしたり、担任からの依頼など。忙しいのは、文化祭が開かれる時期位だ。
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