花ときみ
そして、文化祭の出し物を決めるLHRの日。
「じゃあ、これから文化祭の出し物決めるから。知花、大槻。お前ら、前に出て決めてもらう。」
と担任は言って、後ろの席に座りこんだ。

俺と大槻が進行する事になった。
「ええと。まず、去年の紫翠祭(しすいさい:藤河高の文化祭の名称)の内容が書かれてあるプリント配るから、今年の出し物を考えて。じゃあ、5分後にまた自分の席に戻って、話し合う。」
俺が言い終えると、みんなは友達の席へ行って話し合いだす。

去年の紫翠祭はみんな知っているが、蔵重は転校してきたから知ってもらいたいのと、最後の文化祭を盛り上げるために、徹夜してプリントをつくった。

5分後、全員が自分の席へ戻るのを見ると、俺はみんなに出し物の意見を聞いた。
「出し物の意見、出してくれ。」
お化け屋敷、喫茶店、劇、縁日の屋台…。
次々と出て来たのでクラスで多数決で決める事にした。
多数決の結果、喫茶店を出す事にした。

内容は男子はウェイターの恰好をして、女子もウェイトレスの恰好で、クッキーやケーキ、紅茶、珈琲をもてなす。
グループを4つ程に分け、交代で午前と午後に担当する。
残念ながら、蔵重は入部した演劇部の出す演劇でクラスの出し物に出られない。
演劇が早く終わり次第に、クラスのお手伝いをしてくれると言ってくれた。


とりあえず、出し物に必要なものを買うために大槻と出かける事にした。

当日、大槻と駅で待ち合わす約束したのだが、時間になっても来ない。
大槻にメールをしてみたのだが、返信が来ない。

すると、向こうから見覚えのある子が走って来る。
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