花ときみ
それは、蔵重だった。

…え?なんで。

「ごめんねっ、遅くなっちゃって…。」
「い、いや。その、来るのは大槻のハズじゃ…。」
「うん、洋寧なんだけどね…。急に用事が入ったからって、代わりに私が行くことになったの。」

…大槻、用事なんて嘘だろうな。

「そっか。じゃあ、これが買うリストだから蔵重さんにも渡しとくね。」
「ありがとう。」
俺らは2人でリストに書かれたものを買う店を回る事にした。

蔵重は、きちんと経費の計算もしてくれるので、ちゃんと節減して買う事も出来る。
本当に蔵重が来てくれてよかった。

お昼の時間になったので俺たちはいったん、昼食をとる事にした。

そういや、蔵重の私服って初めて見るんだよな…。
やっぱり、女の子らしくていいなあ。

「知花くん?手が止まってるよ?」
「え?」
食べている途中だったことに気が付いた。
「ご、ごめん。」
すると、俺は間違って箸でカレーをすくっていた。
「あっ!」
蔵重はそれを見て、くすっと笑い、俺もつられて笑った。

あの時、会う約束をしたけど、会えなかったときは
もう二度と会えないんだろうなって思った。

けれど、あれから1年もしない内に、
またこうして再会して、今、目の前に初恋の相手がいる。

何か、運命を感じた。
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