花ときみ
その彼女の想いを、俺は無駄にはしないように稜人を全力でサポートしようと決意した。
「稜人、もう逃げ出せないよな?」
「…ったりめーだ。悪ぃ、郁弥。きちんと勉強して進級してやる。」

俺らは、時間が有る時は単語カードを見たり、
休日は図書館かファミレスで必死に勉強した。
そして、テスト1日目を迎えた。

俺は初めの1教科は得意科目だったから、ほとんど解け、自信がある。
2科目目も3科目目もきちんと板書してきたし、復習をしてた甲斐があって、ほとんど解けた。
1日目が終わり、俺は稜人に結果を聞いてみた。
「稜人、どうだ?」
「…おぅ、なんとか全問とけた!このまま、頑張るよ。」
良かった、明日は確か稜人が苦手な古典だ。
「俺、この後ファミレスで勉強するけど。稜人、来るか?」
「おう!俺も勉強する。」
初めてだ、あんなに勉強を真剣に取り組もうとする、前向きに頑張る稜人。
このまま、テストを無事に終えて欲しい。

そして2日目。
俺は3教科とも無事に全問解く事が出来た。
3教科終えると、稜人は俺に抱き着いてきた。
「おい!何してたんだよ!?」
「古典、解けたぜ!」
「わかった…、わかったからっ!離せって!!」
とりあえず、一安心だ。明日でテスト最終日だ。

最終日当日―。
稜人はもちろんのことだが、俺まで緊張していた。
稜人が無事に全問解けるか不安だ。
開始時間になり、黙々と鉛筆が走る音だけが教室に響いた。


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