花ときみ

玉兎

放課後、稜人は彼女の所へ、テストの結果を報告しに行った。
無事、彼女と交際を続ける事ができた。

俺は家に帰るなり、親にテストの結果を報告し、
「良くやった。」と褒められ、夕飯を食べ、風呂へ入った。

俺は首にかけたタオルで髪を拭いていると、
また携帯にメール着信音が鳴った。

あれ?
…このアドレス、前に来たやつ。

from|●●@xx.ne.jp
sub|こんばんわ。
本文|蔵重です。以前、メールを間違えて送った者です。
迷惑をかけてごめんなさい。
たった1文字が違っていただけでした。

あ、間違いだったことに気づいたんだ。
けど、無視したのは悪かったし、詫びなきゃな。

to|●●@xx.ne.jp
sub|Re:こんばんわ。
本文|いいえ、以前にこちらから伝えなかったのは
謝ります。すみませんでした。
無事に、届いたんですか?

と、送信。
俺が髪をドライヤーで乾かしていると
またメール着信音が鳴った。

from|●●@xx.ne.jp
sub|大丈夫です。
本文|ちゃんと送れてます。
心配して下さってありがとうございます。
私、蔵重水柚(くらしげ みゆ)といいます。
東京に住んでいます。

……

あれから、蔵重とメールをしていた。
蔵重は、東京に住んでいるらしい。
間違ってメールをしてしまった日のことを話していると、
テストの話題になった。それを気にして、謝ったり、心配してくれる優しい子なんだろう。
でも、これは稜人には話さないでおきたい。
きっと、危ないからヤメロって言うだろうし。
自分でも、本当は向こうが男だってありえる。出会い目的の計画だって
考えられる。
俺は何度か、メールを無視したけど…なぜか俺はメールしていた。


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