カノジョの秘密。
確かに伸吾はダメ男だったけど、笑う時だけは優しかった。ちゃんと愛情が感じられた。

なのに今は・・目が笑ってない。

ほら、今も、こう言っただけで、あたしを睨みつけてくる。


「わかったふうな口聞いてんじゃねえぞ。」

「・・だって、本当のことだもん。」

だけどあたしは負けず嫌いだから。
逃げたくなくて、睨み返した。

「あーらら、更紗ちゃん可愛い顔してるわりにけっこー勝ち気さん?」

伸吾以外の男が割って入ってくる。にやにやした笑みが気持ち悪い。

「でも嫌いじゃねえなあそうゆうの。」

「伸吾ー、お前泣かせたくねえの?この女。」

他の2人も、あたしと伸吾の間に割って入ってきた。


え、なにこれ。


空気が「やばい」とあたしに伝える。
思わず足を引いた。


「・・泣かせたいっすね、先輩。」


だけど、伸吾のその一言で、あたしはあっという間に3人の男たちに捕らえられた。

口を塞がれ、両腕を羽交い締めにされる。

「んーっ、んーっ!!」

怖い、怖い、怖い。
涙目になりながら、声の出ない口で、必死に叫ぼうとした。

唯一動かせる両足をバタバタさせると、

「はいはい、大人しくねー」

と、両足を抱えられた。


どうしよう・・っ!!


そのまま公園の隅にあるトイレの裏手に連れてこられた。

ここは滅多に人は通らない。
助けが来る確率なんて・・ないに等しい。

そこに辿りつくと、ドスンと落とされた。

「い・・っ・・!」

腰を、思い切り打ったらしい。ジンジンと痛みが頭に響いた。

「さ、始めようかー。」

「や、ちょっ!やめてよ!放してよ!!」

先輩の内の一人が、あたしの腹に馬乗りになる。

「し、伸吾っ!助けて!」

立ち尽くしてこっちを見ている伸吾に訴えた。

だって、いくらなんでもこんなの・・、こんなの、酷いよね??ねえ、伸吾。


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