カノジョの秘密。

「は～～～・・・。すご・・・・・。」

あたしはそれを見上げて、ただ圧倒されていた。

「なにやってんの、行くよ。」

堂島さんはそんなあたしを一瞬見やると、スタスタと歩いて行ってしまった。

「あ、待って下さい！」

あたしはそれを慌てて追いかける。


堂島さんの家は、あたしが今まで見てきた中では断トツ１位に入るくらいの大きさだった。
まるで、中世ヨーロッパのお城のような家で、家の周りを荘厳な庭が囲んでいて、その庭にリムジンが１台堂々と止まっていた。

門から玄関までは真っ直ぐ綺麗な一本道ができていて、そこを何ともない顔で歩いて行く堂島さんにあたしはとにかく着いて行った。


やっとの思いで着いた玄関は、まるでお城の門みたいだった。

ど、ドアノブが・・ない・・！

あたしがそのことに驚いていると、真ん中につけられていた何かの動物？の口みたいな場所を、堂島さんが押した。

すると、その大きな門がいきなり内側に開き始めた。


えええええ！？

「入るよ。」

「ま、まじっく・・・！！」

あたしの衝撃なんていざ知らず、堂島さんはさっさと中へ入ってしまった。


中へ入ると、すごく広い広間があった。天井にはシャンデリア。目の前には大きな赤絨毯の階段。壁には大きな画（え）。

こんな家、本当にあるんだ・・・・・。


と、唖然としていると。


「麗様だわ！」「麗様がお帰りよ！」「ちょっと早くなさい！」「お、押さないでよっ」


どこからともなく、女の人たちの声がしてきた。

な、なに？


すると、大きな赤絨毯の階段からメイド服姿の女性たちが次々に降りてくる。

彼女たち（何人いるかわからない）は階段の右端と左端に縦にピシッと並ぶと、

「麗様、お帰りなさいませ。」

と見事に揃えて言い、深々とお辞儀をした。

こ、これ・・って。


「ああ、ただいま。」


堂島さんが面倒くさそうに答えたのを見て、確信する。


全員メイドーーーー！！？