カノジョの秘密。
「麗様、おカバンをお持ち致します。」
「麗様、お部屋のお掃除、お茶のご用意整っております。」


メイドの内の2人が近づいてきて、堂島さんにそう告げる。

「ありがとう。でもその前に、この子の手当てと、それからお風呂、あとは・・着替えもあったほうがいいか。面倒見てやって。」

「へ・・、そ、そんなお風呂までなんて、けけけ結構っわぷっ!?」
「まあ、どうなさったの!?」

「ケガしてらっしゃいますね!かわいそうに・・!今すぐ手当てして差し上げますからね!」

さすがにお風呂とか、そこまでしてもらうのは申し訳ないと断ろうとすると、メイドさんたちがいきなりあたしに飛び掛かってきた。
その勢いに思わず、息を呑む。

「みんな!麗様の可愛~いお客様よ!丁重に扱って!」

「へ、あ、あの」

「「「はい!!!」」」

メイド頭の、少し中年と思われる女性がそう言うと、メイドさんたちは一斉に返事をした。

す、すごい・・・。

「ではお客様、こちらへ。」

「は。」

メイドさんの一人が早速、あたしの手を引く。

「まずはお手当を。」

別のメイドさんがそう説明したかと思うと、

「スリーサイズあとで測らせていただきます。お着替えをお作りしますので。」

別のメイドさんがそう言った。

「え、い、いいです!」

そこまではしてもらわなくても・・・!

思わず断ると、

「んぬわにをおっしゃいますかあ!!」

「ひっ!?」

メイドさんの顔がまるでヤクザのように恐くなった!

「貴女様は麗様の大切なお客様です!麗様がおっしゃったことは絶対なのです!」

「は、はいっ!」

その勢いに蹴倒され、思わず頷いてしまう。

な、なにこれーー!?


堂島さんがいた所を振り返ると、彼女は既に階段を上がっていた。その後ろをたくさんのメイドさんたちが着いていく。

あ、あたしまさかの放置プレイ!?

やだよーーーっ。


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