カノジョの秘密。
一部屋、一部屋、また一部屋・・・。

ガチャッ、バタン、ガチャッ、バタン、の繰り返し。

こんなに豪華で広い部屋がいくつもあるっていうのに、ほとんど人が使ってる形跡がない。

あたしからしたら、なんてもったいない・・!!と思ってしまうけど、お金持ちな人には、これが普通なのかもしれない。


とりあえず、2階部分までは全て見終わった・・。
それだけでもかなり疲れるくらいの広さだ。こんなの絶対テレビドラマでしか見ないと思ってたのに!


どうやら堂島さんの家は横に長いみたいで、3階建てだった。
ここの階のどこかにいるはず・・・。

制服も返して貰ってないし、カバンもない。それがないと帰れないし。
とにかく急がなきゃ・・。

あたしはまた一部屋一部屋と部屋を見て行った。

そして廊下の角を曲がると、一部屋だけ薄くドアが開いているのが見えた。明かりがついてる。

もしかして、あの部屋かな??

あたしは走り寄って、ドアの隙間から少しだけ中を覗いた。すると、堂島さんの綺麗な髪の毛が見えた。

ここだ!やっと見つけた!

あたしは嬉しくなって、迷いもなくドアを開けた。


「堂島さん!」


「あ?」


あたしの声に、彼女が振り返った。その瞬間─────。




何かが、おかしい。




そう思う間もなかった。
現実は、目の前に、疑うことなくあった。


「あんた・・・ちっ。」


堂島さんは素早く状況を理解して、目を見開いたかと思うと、舌打ちした。

だけどあたしはそれを見ながら、まだうまく状況が飲み込めなかった。


何か、何かしゃべらなきゃ。


そう思うくらいには、まずいものを見てしまったという意識はあった。

かろうじて、出た言葉は・・。


「あ、れ・・、女の子、なんじゃ・・・??」

頭の中は、?だらけ。
もうぐちゃぐちゃ。


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