カノジョの秘密。
「何でもする、って。」

まるで悪魔のような微笑みを携えて、堂島さんはそう言い切った。

「た、確かに言いましたけど・・・」

何をさせる気!?
体中を冷や汗が流れる。

その時、バタンと、運転席のドアが開き田中さんが戻ってきた。

「麗様、完了致しました。」

「そうか、家に戻るぞ。」

「畏まりました。」

「ちょっ、ちょっと待って!!」

「なんだよ。」

ちょっと、そんな怖い顔で見ないで下さいよ。

「な、なんだよって・・、あたしは?家は?学校は?」

「それは俺の家についたら説明する。とにかく来い。それから、あの家、明日にでも解約してこいよ。」

堂島さんはそう言い切ると、もう話はしないとでも言うように、顔を背けた。






そしてなぜか再び、このだだっ広い家に・・・。

今いる場所は応接間なのか、高い天井にシャンデリア、暖炉の上には大きな画、長~いテーブルにいくつも並べられた椅子、窓際にはグランドピアノが置いてある。
あたしは落ち着かない空気を感じながらも、その内の1つの椅子に座った。

メイドさんがお茶を用意してくれた。

「あ、ありがとうございます。」

軽い会釈をして、メイドさんは去っていく。
何だか、寂しいな・・・。

右手にあるドアが開いたと思ったら、堂島さんと、もう一人、見慣れない女性が入ってきた。
お母さんくらいの年齢に見える。何だか、怖い感じのする人だった。

堂島さんは上座に座った。

「今、短時間でお前のことを調べさせてもらった。」

「・・・・はい?」

まさかの、いきなり爆弾発言。

「どど、どういうことですか?」

「お前には、今日から家で働いてもらう。」

「・・・・は?」

またまた、まさかの爆弾発言。
すみません、これ以上は頭がついていきません。

そんな心の声が通じるはずもなく。

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