大切なモノ
「さんきゅーな、姫華ちゃん。」




恭平は普通に笑顔を向ける。



流石恭平だ。


私だったら殴ってる。





私達はそんな2人を放っておいて、どんどん円になっている席に着く。





私の隣に莉緒。
莉緒の隣に未里亜。
未里亜の隣に勇斗だ。



「おい、そろそろ座れよ、2人共。」



「は〜い!」




恭平は返事もせずに、莉緒とは反対側の私の隣に座る。




「明日香先輩、ズルいです。私にその席譲って下さい。」





姫華ちゃんは美形の2人に挟まれている私を妬んだのか睨み付ける。




「おい、姫華、開いてる席にさっさと座れよ。」




莉緒が私と揉めている姫華ちゃんを注意する。




「は〜い…。」




仕方なく姫華ちゃんは勇斗と恭平に挟まれている席に座る。




「で?今日は何を見るんだ?」



「あー!ちょっと待って、ちょっと待ってー。俺、言いたい事あったんだ!」




始めようとしていた所で急に恭平が声を出す。




「何だ、恭平?」
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