大切なモノ
「あのさー、このメンバーで合宿やんねぇ?」




「合宿?」



不審に思った私は声を出す。




「そうそー。なんか商店街のくじ引きやったら一等で京都旅行が当たったんだよねー。しかも6人まで連れて行けんの!」




「それは凄いですね。」



「恭平先輩ってくじ運いいんですね。」




「俺は別名、ラッキー恭平だかんねッ!!」



そんなつまらない恭平ジョークをスルーする。


「はいはい、わかったわかった。それじゃ、多数決で決めよう。合宿に同意の奴は挙手!」





みんなは一斉に手を挙げる。




「みんな賛成でいいのか?」



「いいんじゃない?」



「思いっ切り楽しましょうよ〜。」



「僕もいいと思いますよ?楽しそうですし。」



「私もいいと思います。初めて部活っぽい事しますね。」



「俺も勿論賛成だ。」



「よっしゃー!じゃあ決まりッ!!一週間後の10時にまたここな!」





私達は初めての合宿という事でどきどきわくわくしていた。




これからの惨劇なんて知らずに――――。
< 18 / 34 >

この作品をシェア

pagetop