大切なモノ
…少し歩いたところで、私達は暗い、如何にも怪しい道へ入った。




「ホントにここ、通るの?」



気味が悪すぎて、私は恭平に尋ねる。




「だってこっちだぜ?」



「恭平さん、迷ったんじゃないですか?」





怖いものが嫌いな勇斗も、ここを通るのが嫌なようだ。




「うーん…。地図はあってる筈なんだけどなぁ。ま、兎に角行ってみようぜッ!」





恭平は怖いもの知らずというか無頓着なのか、どんどん薄暗い道を進んで行く。




「ちょっと、恭平!」




私達はどんどん歩いて行く恭平を後から小走りで追い掛ける。
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