大切なモノ
その薄暗い道は、私達以外誰も人がいなくて気味が悪い。





―――と、そこで急に恭平は立ち止まる。





「どうしたんですかぁ?」




「…人だ。」




私は前方を見る。




そこには黒いマントを頭から被った、男か女か…或いは、若者か老人かさえも区別が付かない人がいた。



一つの机を出して、その机の上に水晶玉が置いてあるから、占い師だろうか?


映画なんかに出て来そうな人だ。






私達は関わりたくない一心で、足早にそこを過ぎようとする。
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