大切なモノ
「僕達、お金は―――」




「ああ、金なんぞいらん。」




私達は顔を見合わせる。


一体、金をとらなくて占い師に何の得があるというのだろうか?





「私はお前さん達の【未来】に惹かれたんだ。随分面白いものを見させて貰えそうだからねぇ。フェッフェッフェッ。」





占い師は妖しく笑う。



顔はマントで覆われてしまって見えないが、きっと顔は歪んでいるんだろう。





「―――僕達に何かメリットはあるんですか?」



莉緒は相手の出方を窺っているようだ。




「んー…。それは知らん。お前さん達次第だ。只…。」




「只?」




「お前さん達の未来が変わる事もあるかもしれんねぇ…。」





相変わらず、マントから見える口元は歪んだままだ。
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