大切なモノ
「フェッフェッフェッ、これで決まりだねぇ。」




占い師はそう言うと、マントから一束のカードを出す。




「因みに私の占いはタロットカードだ。一人ずつ引いて貰うよ。誰からだい?」




私達はまた顔を見合わせる。




「俺からやるよ。」




みんなの顔色を窺ってから、莉緒が名乗り出る。





「勇気のあるお兄ちゃんだ。」




占い師は口元を歪める。



「このサークルの部長…ですから。」




莉緒も負けじと、にっこり笑う。




「面白いお兄ちゃんだ。」
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