もう一度あの頃に…、

授業中あゆはずっと
中沢と喋っていた。

いつものように無邪気な
笑顔…と言うよりも
好きな人に向ける笑顔と
言えばいいのだろうか。

やっぱり諦めると言っても
諦めきれなかったんだろうな。
ここまで我慢したあゆは
すごく偉いと思う。

「相田…相田!!!」

ぼーっとあゆ達を
見ていたので先生に
呼ばれている事に
全く気付かなかった。

「あっ…すみません…
なんでしょうか…??」

「ほら88ページ読め。」

うっ…全部英語だよ…。

「えっと…ざ?な~…ナチオナル…ナショナル?
トルスト…トラスト…?ざー…ららら…?」

「もういい。座りなさい。」

「はい~…///」

恥かいちゃったよ~。
周りのみんなは笑っていた。

わたしの目に最初に
飛び込んできたのは
中沢だった。

なぜさっきから中沢の事
気になっちゃうんだろ…。

顔を真っ赤にして
座ったら横田の声が
聞こえてきた。

「おいおい今のは
英語っていわねーぞ!(笑)」

からかうように言ってきた。

「う、うるさーい!仕方ないの!」

ぽこん。後ろから
教科書で頭を叩かれた。

「仕方なくない!ちゃんと
授業聞いてれば読めたぞ!」

どっ。またみんなに
笑われてしまった。

その時もまたわたしは
中沢が一番最初に
見てしまった。

わたしが好きなのは
横田なの…。

違うんだ…。
あゆの事応援するって
言ったもん。

違う…違うんだ…
やめて…こんなにドキドキ
しないで…
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