もう一度あの頃に…、
④
授業中あゆはずっと
中沢と喋っていた。
いつものように無邪気な
笑顔…と言うよりも
好きな人に向ける笑顔と
言えばいいのだろうか。
やっぱり諦めると言っても
諦めきれなかったんだろうな。
ここまで我慢したあゆは
すごく偉いと思う。
「相田…相田!!!」
ぼーっとあゆ達を
見ていたので先生に
呼ばれている事に
全く気付かなかった。
「あっ…すみません…
なんでしょうか…??」
「ほら88ページ読め。」
うっ…全部英語だよ…。
「えっと…ざ?な~…ナチオナル…ナショナル?
トルスト…トラスト…?ざー…ららら…?」
「もういい。座りなさい。」
「はい~…///」
恥かいちゃったよ~。
周りのみんなは笑っていた。
わたしの目に最初に
飛び込んできたのは
中沢だった。
なぜさっきから中沢の事
気になっちゃうんだろ…。
顔を真っ赤にして
座ったら横田の声が
聞こえてきた。
「おいおい今のは
英語っていわねーぞ!(笑)」
からかうように言ってきた。
「う、うるさーい!仕方ないの!」
ぽこん。後ろから
教科書で頭を叩かれた。
「仕方なくない!ちゃんと
授業聞いてれば読めたぞ!」
どっ。またみんなに
笑われてしまった。
その時もまたわたしは
中沢が一番最初に
見てしまった。
わたしが好きなのは
横田なの…。
違うんだ…。
あゆの事応援するって
言ったもん。
違う…違うんだ…
やめて…こんなにドキドキ
しないで…