もう一度あの頃に…、

「う゛~…ごめんダメだ。
まだ泣いちゃうよ…。」

涙がどんどん
あふれ出てくる。

あゆは一生懸命
わたしの話を聞こうとする。

なんで泣いてるのか。
わたしのせいなのか。

でもどっちも当てはまらない。
だってわたしにも答えは
わからないから。

「…うっく、ひっく…も、もう
大丈夫だから…ごめんね…っ。」

やっと涙が止まった。
中沢と横田も少し安心
してる感じの顔をしてた。

「大丈夫か?なんか
悩み事でもあんのかよ?」

横田はそう優しく言ってくれた。

「!!…もしかして相田…。」

中沢は何かに気がついたようだ。

「さっきの給食で俺に
コロッケ取られたから
泣いてたんだろ!!そうだろ!」

…期待はずれの答えだ。
馬鹿だな…。なんだこの
子供みたいなやつ。
本当に中学生なのか?

「…がき!!そんな事で
泣かないもん!!」

「はぁ!?がきって今言ったか!?」

ものすごく怒っている。
なぜこんなに怒ってるのか
わたしには理解不能だ。

「なんでそんなに怒るの?
やっぱがきだな~(笑)」

「俺は大人だ!馬鹿にすんな!」

中沢はがきと言われると
すごく怒ってしまうらしい。
なんかわかんないけど
優しく励まされるより
こうやって馬鹿みたいな
会話してるほうが気持ち的に
すごく楽だった。
さっき泣いてたのが
うそだったような感覚。

「あははははっ…ごめんね。
なんかもう大丈夫みたい!
ありがとね中沢!」

男子にお礼言うなんて
すごく照れくさい感じが
したが気のせいだろう。

「っ…ま、まぁ?俺も大人だし!
ゆ、許してやるよ!」

あっちも照れくさかったようだ。
なんだか可愛い一面も見れて
すごくうれしいような感じがした。
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