もう一度あの頃に…、
自分より友達を優先してしまう。
あゆの長所でもあり
短所だとも思う。
あゆがわたしの近くに寄り
耳元で小さな声でこう言ってきた。
「メアド聞いてたまにメール
するんだけどさ…」
「えっいい感じじゃん!」
好きな人のメアド知ってて
しかもたまにメール出来る
なんて進展してると思った。
けどあゆは嬉しそうな顔は
してなかった。
むしろ悲しそうな顔とでも
言うのかな?なんとも言えない
難しい表情だ。
「でもやっぱ2人の事
応援するって言ったし…」
そこか。やっぱりあゆは
いい子だなと改めて実感した。
「とにかく!今日もメールしなよ!」
わたしはそれだけあゆに
伝えて部活に行くことにした。
もう入学して3カ月。
そろそろ夏休みだ。
わたしは未だに好きな人ができない。
それはみんなに
置いていかれてる感じがした。
わたしもみんなと同じように
好きな人作って恋話でもしたい。
しかしこれが間違いだった。
こんなに急がなくてよかったのに…
なんであの時の自分は
気付かなかったんだろう…。
そして部活が終わり
家に帰宅した。
わたしは急いでパソコンを
立ち上げてメールを
開いてみた。
わたしは携帯を持ってなかった。
あゆからメールが来てた。
[ゆいー!部活から帰ってきたら
メールして!]
そう書いてあった。
わたしはすぐに返信した。
[今帰ってきた☆どうした?]
パソコンは音が鳴って
受信したことを知らせて
くれるわけではない。
自分で送受信しないと
メールが来たかわからない。
その作業が短気な
わたしにたまらなく
苛つかせてくれた。