もう一度あの頃に…、
あゆはそれを承諾した。
どれだけお人よしなんだろう。
わたしはすごく腹が立った。
その怒りをぶつけてしまった。
「なんでそんな約束したの!?
あゆはいいの!?なんでいいの!?
意味わかんない…もっと自分の
気持ちに正直になんなよ!!
おかしいよ…」
わたしはこんなに悩んでる
親友になんてことを
言ってしまったんだろう。
本人も十分にわかってるはず。
なのになぜわたしはこうも
人の事を考えずにずばずば
言ってしまうのか…。
気まずい雰囲気。
その中あゆが口をひらいた。
「ごめんね…ごめん…
わたしも正直になりたいけど…
でもやっぱり自分より友達を
優先しなきゃって思って…ごめん…」
なんであゆが謝ってるんだ。
わたしが謝らなくてはいけないのに。
「ううん。こっちこそごめん…」
「もう約束したから…諦める…」
えっ?そんな事は言ってないじゃん。
どう聞いたらそうなっちゃうの?
声には出してないがあゆには
伝わったらしい。
「ずっと喋っちゃいけないなら
好きだと辛いもん…だから。」
そうだよね。あゆの言うとおり。
目で追いかけるしかできないなんて
すごくつらいよね。昨日まで
あんなに仲良かったもんね。
あゆの答えは正解だと思うよ。
だからわたしはこう言った。
「そっか…あゆがそうするって
言うならわたしは良いと思う。」
「うん、今まで応援してくれて
本当にありがとうね…。」
あゆはそれ以来
中沢に近寄らなくなった。
そして好きな人も
できなくなってしまった。