もう一度あの頃に…、

「なんだよー顔赤くして。」

中沢に言われて初めて
気がついた。
なんか顔が熱いなとは
思っていたけどまさか
真っ赤になってるとは…。

「へっ!?あっちがっその!!」

一生懸命何かを言いたいけど
なかなか言葉がみつからない。

「ずばり!相田は妄想してたな!」

おでこを人差し指で押された。
横田にそんな事されたら当然
顔だって真っ赤になっちゃうだろう。
でもなんでだろう。
さっきのように熱い感じはしない。

「ったく。ほどほどにしとけよ!」

どきん…また顔が熱い…。
なんで中沢の言葉に反応するの?
やっぱり男だから?
そしたら横田だって男…。
好きな人は特別…なのかな?

「あっやっべ部活ノート!!!」

「あー!!!俺もだ!じゃあな!
無駄話がすぎた!(笑)」

2人ともサッカー部で
部活ノートというものが
あるらしい。
大体その日にやった
部活の内容や参加人数、
今日の反省を書いて
次の日顧問の先生に提出し、
またその日の部活の終わりに
ノートが返されという仕組みだ。

「サッカー部は大変だね。」

あゆは少し残念そうな
顔をしていた。
あんまり話せなかったからだ。

わたしが2人とずっと
話してたせいであゆは
中沢と話ができなかった。

「ご、ごめっ…考えてなかった…」

「ホントだよ(笑)なんて。」

2人で他愛もない会話を
していたらチャイムが鳴った。




もうこの時からずっと
好きだったのになんで
気付けなかったのだろう。

すごく後悔している
自分がいた…。
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