club darklght─闇の光─
「道島様、ありがとうございました。」
扉の方から聞こえてきた、舞菜さんの声。
道島様も、ラストまで残ってらっしゃった。
「あぁ。じゃあ後でな。」
・・・後で?
「あ、あの、那実さん。“じゃあ後でな”って、どういう意味ですか?」
「あぁ。あのふたり、一緒に住んでるの。」
え?
ていうことは、
「おふたりは、付き合ってるんですか?」
「ううん。付き合ってはいないの。」
どういうこと?
付き合っていないのに、一緒に住んでるってどういうこと?
「ははっ。光ちゃん、“訳わかんない”って顔してるね。そりゃそうよね。付き合ってもいない男女のふたりが一緒に済むって、ちょっとズレてるよね。」
「私にはちょっとどころが、すごくズレていると思います。」
「まぁ、そうよね。私も初めて知った時はそう思った。けど、人にはいろいろと理由があるものよ?」
理由?
那実さんは、それ以降は何も教えてくれなかった。
「私の口から話すことではない。」
と。