続・極道夫婦―姉と妹の恋―【完】
愛「これ、最近、公開し始めた映画のチケット。Wデートで見て来てね」



愛美「…ん」



愛美は母親からチケットを受け取ると、炊飯器の横にポイッと投げて、また胡瓜を切り始めた。

母親は私に微笑みながら、父親の元へと戻って行った。



愛夏「今日、雅先輩は…来る?」



愛美「お昼食べに来るんじゃないの」



愛美は笑わずに、鍋に水を張り、火に掛ける。

いつもなら、嬉しそうに笑うのに…。



愛夏「じゃ、映画、行こう?」



愛美「良いんじゃないの?」



愛美は私を見る事はなく、将人・りっくん・雅先輩の分を含めた5人分の麺を解し、沸騰した鍋に投入した。
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