ダーリンは金髪ヤンキー!?
怖い…やだ。

雄大はあたしの涙を見て
ビックリしていた。

「そんなに俺が嫌か…」

あたしが何も言わずに黙っていると

「わかった…。」

と言って手首を解放した。

あたしは走った。
雄大から遠くに行きたい。

走って、走って、走って、
着いたのは、子供の頃よく遊んでいた公園だった。

あたしはブランコに座り泣いた。人目を気にせず泣いた。

「美和っ!!」

パッと前を見ると汗だくの美沙が立っていた。

「美沙…」

「心配したんだよ!! 教室で普通に弁当食べてたら美和が、泣きながら走ってんだもん。」

「ごめんなさい。」

「何があったか…聞いてもいい??」

「うん。」

あたしは、美沙に屋上での事を話した。

「そうだったんだ…」

「フッ…グスン。」

「美和の気持ち…聞きたいな。」
「あたしの…気持ち?」

「うん。 美和がもし、立石の事が好きなら…その気持ちを伝えるべきだよ。」

「あたしが…雄大を好きになるわけない!!だって! ヤンキーだし、怖いし、意地悪だし……。」

意地悪だし… でも…

「だし?」

「だし…」

「ん??」

「……好き。」

「はっ!?」

「でも…好き!!」

あたしは、本気で雄大が好き。

「意地悪で、怖くて、金髪でも…雄大が好き。大好き!!」

初めてこんな気持ちになれた。
気づかせてくれてありがとう…美沙。

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