あの頃から君は
 小巻は小学生の頃の高津を思い出してみる。スポーツは出来る方だった気がする。勉強は知らないけれど。特に騒ぐような性格でもなく、目立つ存在ではなかった。グループが一緒になれば、それなりに仲良く出来る程度の友達ってところだろうか。そう言えば、高津は足が長かった気がする。小巻はちらりと高津を見た。うん、足は長い。
 高津が黙り込んだので、小巻は仕方なく隣で胡坐をかく。高津はそれを確認してから、大きく息を吸った。

「さっき、篠崎に告った」

 小巻は高津を見つめ、ぽかんとする。告った。告った。告った。頭の中で反復してみる。
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