あの頃から君は
「でもさ、一緒に遊ぶ人は美羽にも訊いた方が良いんじゃない?高津だけで決めたら可哀想だと思うけど」

 高津の味方より美羽の味方が多い方が良いに決まっている。小巻は、高津より美羽と仲が良いのだから、困る美羽を見たくない。高津は存分に困ればいいのだ。小巻を困らせたのだから。

「分かった、帰ったらメールしてみる」

 そんな小巻の気持ちも知らずに、高津が嬉しそうに呟いた。小巻は少しムッとして、いたずら心が芽生える。

「連絡することが出来てよかったね」

 図星を突かれて顔を赤くさせた高津に満足して、小巻は立ち上がった。廊下に座っていたせいで冷たくなったお尻を軽く叩く。

「じゃあ、日曜日の詳細は美羽から聞くから」
「よろしくお願いします」
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