あの頃から君は
「あんた達っていつもそうだったよね。何も相談してくれなくて、全部自分で片付けちゃうんだもん」
「そうか?」
「そうよ。私には何も言ってくれないんだから」
そんなことないのに、と総司は思った。
美羽は三人の中では一番しっかりしていて、あまり行動的ではなかった総司を引っ張ってくれた。落ち込みそうになった時も、美羽の笑顔に何度も救われた。美羽がそこに居るだけで、不思議と元気になれるのだ。
すらっとした手足は、名前の通りに美しい羽のようだし、いつも明るくて笑顔を絶やさない美羽は男に人気があった。けれども、竹を割ったような性格では繊細な男心を理解出来るはずもなく、中学時代はモテないことを嘆いていた。(総司が受けていた相談は、そのくらいのものだ。)美羽に想いを伝えるのはとても勇気の要ることなのだ、とクラスの男に力説されたことを、総司は今でもよく覚えている。
(まあ、それは相変わらずみたいだな)
「そうか?」
「そうよ。私には何も言ってくれないんだから」
そんなことないのに、と総司は思った。
美羽は三人の中では一番しっかりしていて、あまり行動的ではなかった総司を引っ張ってくれた。落ち込みそうになった時も、美羽の笑顔に何度も救われた。美羽がそこに居るだけで、不思議と元気になれるのだ。
すらっとした手足は、名前の通りに美しい羽のようだし、いつも明るくて笑顔を絶やさない美羽は男に人気があった。けれども、竹を割ったような性格では繊細な男心を理解出来るはずもなく、中学時代はモテないことを嘆いていた。(総司が受けていた相談は、そのくらいのものだ。)美羽に想いを伝えるのはとても勇気の要ることなのだ、とクラスの男に力説されたことを、総司は今でもよく覚えている。
(まあ、それは相変わらずみたいだな)