旦那様は社長 ♥特別編♥
今日ほど藤堂さんを恨めしく思ったことはない。
どうしてそんな意地悪な質問ばかりするんだろう。
悠河はしないって言っているんだから、それでもういいのに。
「……」
だけどそう思っていながら、実は悠河の今の質問の答えが気になる自分もいた。
悠河は何て答えるの……?
どんな小さな声も聞き逃さないように、あたしは社長室の扉にペタリと身体を完全にくっつけた。
ここが他の社員が自由に出入りできるフロアじゃなくてよかった。
こんなみっともない姿、他の誰かに見られでもしたらあたしのイメージが……。
「お前、自信あんの?」
「え……」
「これからずっとこの先死ぬまで、光姫ちゃんへの気持ちは変わらないって言えんのか?悠河」
あたしの胸の高鳴りは最高潮を迎えていた。
お願い、悠河。
嘘でもいいから言ってほしかった。
『この気持ちは変わらない』って。
だけど悠河は……欲しい答えをくれなかった。
「変わるんじゃねーの?当たり前に」