旦那様は社長 ♥特別編♥
その日の夜。
悠河は藤堂さんと一緒に一條グループの一條海里社長と会食をすることになっていて、帰宅したのは23時を過ぎたころだった。
あたしは食事を済ませてお風呂も済ませて、今日買ったあの下着に着替えて……
バスローブを身にまとってベッドの中で悠河の帰りを待っていた。
「ただいま」
ガチャリと寝室の扉が開いて、少し疲れた顔をした悠河が入ってきた。
あたしは急いで立ち上がって悠河の荷物と上着を受け取った。
「楽しかった?今日の会食」
「ん?あぁ。お前によろしくって言ってたよ、一條社長。美海さんがお前に会いたがってるから相手してやってくれってさ」
「そう。美海さん、モデルのお仕事で忙しそうなのにね」
「だな。お前、先に寝てていいぞ?オレは風呂に入ってくるから」
「ううん。……待ってる」
だって今日は、見てもらいたいものがあるから。
だけどあの下着を着るのも見せるのも、ものすごい勇気がいる。
なんとなく恥ずかしくて目を伏せた。
そんなあたしの顔を右手で器用に持ち上げた悠河から甘いキス。
名残惜しくもゆっくりと唇を離しながら、悠河がニヤリと笑った。
「誘ってんの?」
ドキッと胸が高鳴る。
もちろんそういうことなんだけど……
答えの代わりに悠河のシャツをギュッと握った。
「オレ、今日かなり酒入ってるし。激しいかもよ?」
あたしの耳を甘く噛んだ後、耳元でとろけそうな声で囁いた悠河。
「朝までノンストップかも」
クスクスと笑う悠河にしがみつきながらあたしも答える。
「いいよ。……朝まで……抱きしめて?」