旦那様は社長 ♥特別編♥
「マジで勘弁してくれ」と呟きながら、悠河があたしの方へ向き直った。
そして鼻を押さえていない方の手をあたしの頬にそっと伸ばす。
「悠河?」
「マジで可愛い。……お前」
「悠河……」
「どうしたいわけ?これ以上オレをお前に釘付けにさせて」
「え……」
「昨日よりも今日、今日よりも明日。日に日にお前を好きだと思う気持ちが大きくなってく。10年後や20年後は、きっともっと……。昼間の話、聞いてたんだろ?オレが言ったのはそういう意味だ」
「悠河……ッ」
『変わるんじゃねーの?当たり前に』
この言葉の意味は、否定的なものじゃなかったんだ。
「あたしもね、ずっと同じことを思ってるよ」
昨日よりも今日。
今日よりも明日。
明日よりも明後日。
「悠河もそう思ってくれてることが、本当に嬉しい」
今度は悠河の胸に、あたしの涙がポタポタと落ちた。
本当はこのまま抱きついて悠河にキスしたかったのに。
悠河の鼻血が止まらないから、できない……。