旦那様は社長 ♥特別編♥
そう、オレは朝が弱い。
……ということになっている、なぜか。
一度もそんなこと口にしたことはないけれど、確かに朝はギリギリまでベッドから出ないから、勝手に光姫が勘違いしているんだ。
そんなことは決してないのに。
オレは思う。
たいていオレの方が、光姫より早く起きていると。
だけどそれを言わないのにはワケがある。
クローゼットから今日の洋服を決めた光姫は、必ず隣に立てかけてある全身鏡の前で着替えを始める。
それをオレはいつも気付かれないように、そーっと片目ずつ開けて優しく見守る。
いや、見守る必要なんてないのは分かっているけれど。
いつも間近でみる光姫の素肌を、こうして遠目に見るのも悪くない。
むしろそそる。
下着姿になると光姫の美しい身体のラインがくっきりと見える。
そしてゆっくりと布を纏っていく姿も色っぽい。
「……ッ」
あぶない。あぶない。
ムラムラしすぎて思わずベッドから飛び出しそうになる自分の腕を強く抓りながら必死に耐える。
朝の日課。
それは、この欲望との戦い。