旦那様は社長 ♥特別編♥
『ちょっと待てーーーーーッ!!』
自己完結する光姫に向かって思いっきり声を張り上げた。
……心の中で。
パタンと小さく音を立てて閉じられたドア。
光姫の足音が遠ざかっていくのを待って、勢いよくベッドから起き上がった。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
一体なんなんだ。
光姫はオレに何を詫びたんだ!?
光姫のこととなると、まるで余裕がなくなってしまう。
光姫がオレに詫びることと言えば……
「浮気か?」
やっぱりそうなのか!?
だけどもしそうだとすると、あんな軽い感じで『悠河には悪いけど』なんて言うか!?
頭の中で他の男の腕に包まれて『イヤン』なんてじゃれてる光姫が思い浮かんで、いてもたってもいられなくなった。
「光姫!!」
勢いよく寝室の扉を開けて、リビングめがけて全力疾走する。