旦那様は社長 ♥特別編♥
バタンと大きな音を立ててリビングの扉を開けると。
包丁で玉ねぎを切っているらしい光姫が、エプロン姿のまま振り返って言った。
「あら?どうしたの?悠河。トイレ?」
おい、オレは小学生かッ!!
「ごめんね。まだ朝ごはんできてないの。できたら呼びにいくから、もう少し寝てたら?」
ニッコリ微笑む光姫の背中に抱きついて、手を胸に回す。
「ちょっ、やだ……何朝からサカってんの!?」
「いいから」
「よくない……ッ!」
怒る光姫を完全に無視して、クイッと服を引っ張って覗き見た。
昨日オレがつけたと思われるキスマークがたくさんあるのはいいとして。
オレの知らないマークがこの身体のどこかに……!?
そう思うと今すぐにでも確かめたくなって、ストライプのパンツも脱がそうとボタンに手をかけた時。
「うわぁ!?」
「この鬼畜男!あんた一体、何考えてんの!?今日は仕事があるのよ!?分かってる!?」
鋭い光姫の眼差しとともに、鋭くキラリと光った包丁の刃先がこちらに向けられた。
「あ、危ないだろ!そんなものこっちに向けんな!!」
「これは完全な正当防衛よ。だって自分の身を守るためですもの」
「ふざけんな!」
「そっちこそ!なんで顔あわせるといつもそうやってエロイことしかできないわけ!?」
「お、オレは男だ」
「だから当たり前だって言うの!?冗談じゃない!あたしが今まで付き合ってきた男は、悠河みたいにサカってなかったわ。まるで悠河、動物じゃない!」
ど、動物?
このオレが動物?