童話迷宮

…いったい何を言っているのかさっぱり

「開いてみなよ」
「でも、この本は真っ白なのよ?」

 目で早くしろ。

訴えてくるようにして見るから
これ以上何も言わずに
本を開いた。

「ほら、やっぱり真っ白じゃない」
「これから書かれるんだよ」

本を眺めているとぼんやりと

「何これ」

だんだんはっきりと

「…地図?」

多分この世界の地図だと思うものが
浮かび上がってきた。


「今、俺たちがいるのはここ
始まりの森
次向かう先がここ」

指さした場所はダイヤの形のした街だった。

「いってどうするの?」

「ここの最後に行くナイトメアの王国に行くために
4つの鍵と
この本いっぱいに物語を作るんだ」


…今はまだ2ページしか埋まっていない
この200ページぐらいある本を


「埋める」

だなんて、無理よ。


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