あめあがり
翌日 加奈子が仕事から帰ると

野澤からメールがはいった。

《亜美は、俺が父親の病院に連れて行っているから心配ない。》

「…へぇ…いい先生してるんだ。」

加奈子はメールをみて独り言を言った。

加奈子はのんびり夕飯を作りはじめた。

亜美のリクエストに応えて今日は、クリームシチュー。

ちょうど作り終えた時、チャイムが鳴った。亜美達が帰ってきたのだと

思ってドアを開けた。

「…何?」

「昨日は都合悪いって言うから、今日来たんだよ。」

希は、強引に上がり込もうとした。

 「何度言ったら解ってくれるの?私たちは、もうとっくに終わったの。」

加奈子は希の腕を振いながら言った。

加奈子は、本気で希を嫌だと思った。

触れられるのが、すごく嫌だと思った。

「何だよ。拗ねてるのか?」

「拗ねてなんかいないわ。電話もメールも家に来るのも止めてほしいの。」

「俺は加奈子が居ないとダメなんだよ。妻とは、別れるから」

「私は、そんな事望んでなんかいないわ。

私、これまで何度も言ってるでしょ、もう、愛してないの。」

「そんな事言わないで、考え直してくれよ、

妻とは、一時的に一緒に居るだけなんだ。

子供がもう少し大きくなったら離婚するんだから。」

「やめて、放してよ。警察呼ぶわよ!」




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