あめあがり
「パパ、これ、亜美が準備したの」

「亜美…パパ、すぐに退院するから、

いいこにしてるんだぞ。ん?何だい」

「保険証とお財布と携帯電話とおきがえ。ね、亜美色々出来るんだよ。」

「亜美、気が利くね。ありがとう。

パパ助かるよ。あ、先生、何かあれば私の携帯電話に連絡いただけますか?

佐伯さんには、本当に感謝しています。図々しいお願いをしてしまって・・・」

「お姉さん、亜美が居ると困るの?…」

「そ、そんなこと無いわよ。」

「ほら、パパお姉さん困らないって言ってるよ。だから亜美はお姉さんと一緒にいる。」

「斎藤さん、もし入院が長引くようであれば、

学校が一時的に預かってくれる施設を探したり、

何らかのサポートは致しますから遠慮なく相談下さい。」

「…はい、明日主治医と退院の相談をして

何かあれば連絡します。亜美をよろしくお願いします」

「大丈夫ですよ」

「佐伯さんのおかげですね。本当にお世話になってしまって。済みません。

もう少しだけ、あの子を宜しくお願いします。」

「大丈夫です。亜美ちゃん、いい子ですし、私も楽しいですから。」

「パパ、亜美今日、図画のコンクールで佳作を取ったのよ」

亜美は、もっと父親と話したそうだった。

加奈子は、野澤と部屋を出てしばらく亜美をパパと二人にしてあげた。


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