君に出逢えたから…[短]
「別れよう」
「好きな子が出来たんだ」



寛斗それは本当だったの?


おばさんの話によると半年前くらいから寛斗に吐き気や熱が襲ったらしい。

そして病院へ行くと癌と告知されたらしい。

脳に腫瘍が見つかったみたいだ。

その位置は運悪く手術が難しい位置だったみたいで奇跡的に手術が成功しても何らかの障害は避けられないらしかった。

寛斗は手術を断ったらしい。


何で…何で断ったの?
もしかしたら成功してかもしれないのに。

「寛斗…麻莉紗ちゃんが来てくれたわよ…」


それを言ったおばさんは病室を出ていった。

私は寛斗の顔を見た。



頬はこけて髪は抜けたのかニット帽を被っていた。


逞しかった体も痩せていた。


「寛斗…」

私が声を掛けた。
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