君に出逢えたから…[短]
その瞬間寛斗の死を示すかのようにピーッと言う音が病室に響いた。


寛斗の死から数日後お通夜が行われた。



そこにはたくさんの人が来てくれた。


寛斗の親戚、同級生、先輩、後輩たくさんの人来てくれた。



私のお父さんとお母さんもお姉ちゃんも来た。


私はお通夜の途中を抜け出して寛斗のお母さんから預かった鍵を持ち寛斗の家へ向かった。



ガチャッと鍵を開け家に上がり寛斗の部屋に入った。


入ったと同時に寛斗の香りに包まれた。



いつも寛斗が使っていた香水の匂いだった。


その匂いが鼻をくすぐった。



その瞬間私の心は寂しくなった。


もう私の隣に寛斗はいないんだと実感させられた。


私は泣きたくなる衝動を押さえながら机の引き出しに手を掛けた。
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