縦笛@ne.jp

涙がそのとき出てたかどうかもわからない。


いやっ、出てきていたとしてもすぐに乾いてしまうくらいあたしは走った。


6月の風を全身で顔面に受けながら走った。


とにかく学校にいたくなんてなかったんだ。


悲しい。


自分で巻き起こしたこの風であたしの苦しみが吹き飛ばされないもんかなぁ…。


ただただあたしは全力で走ったんだ。



(バタン!!)



ドアが壊れそうなほど強く自分の部屋を閉めた。


部屋でいっぱい泣いた。


声を出して泣いた。


あたし番信用してる人に裏切られたんだ。

< 112 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop