縦笛@ne.jp

万俵くんがやってきた。


そう言えば外で会うのはたったの2回目だ。


初デート以来、ずっと万俵くんの家でのデートだったもんね。(一度だけラブホもあったっけ)


あたしは自分から口を開いた。


「万俵くん、ごめん。あたし限界。」


『ほんで?』


「ほんでって何?限界なの。あたし限界なの。」


我慢していた涙が溢れ出した。


『だから限界だと何なんだよ。』


「だからその…別れてください。あたしをもう解放してください。お願いします。お願いします。」


あたしは土下座した。


『ハッ?』


「これでもね。あたし頑張ったんだよ。万俵くんのコト理解しよう理解しようって頑張ったんだよぉ。ホントに…本当に頑張ったんだよぉ。初恋だったから。あたしが初めて本気でスキになった人だったから!!」


涙できっと化粧も落ちていると思う。


『い…いやっ、なんか勝手に盛り上がってるトコ悪いんだけどさぁ。別れるってどういう意味よ?そもそも付き合うなんて俺言ったか?』

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