縦笛@ne.jp

あたしは泣いた。


もう一生涙なんて出ないんじゃないかって言うくらい思い切り泣いた。


一生分の涙が出ても雨なんてちっとも止みやしなかった。


あの時…そう初めての家デートのとき。


もしあたしがデートじゃなく、お通夜を選んでたらあなたのイヤな部分を見なくて済んだの?


あの時…もしあなたが転校して来なかったらこんなことにはならなかったの?


あの時…もしあたしがこの高校を選んでなければこんなことにならなかったの?


あの時もし…



もし…



あなたを好きにならなければこんなコトにはならなかったの?





違うよね?


どうせあなたはいつかこんな姿を私に見せるつもりだったんだよね?


周りのみんなから冷やかされることさえ嬉しかったのに。


その姿を見ているだけで幸せだったのに。

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